Virtual Gallery
当ヴァーチャルギャラリーはソーシャルVR 「clustar(クラスター)」のシステムを利用しています。
下記アイコンより各作家のヴァーチャルギャラリーに入館できますが、clusterの登録がまだの方は、表示された画面の指示に従って、アプリをダウンロードするとご覧いただけます。

注:パソコンでもご覧いただけますが、スマホの方がより快適にお楽しみいただけます(2021年11月25日現在)。

第一期
期間:2021年11月01日〜2022年10月31日
企画ディレクション:彦坂尚嘉
デジタル技術:中川晋介
プロデュース:有限会社 前衛実験netart

彦坂尚嘉
ニーチェの肖像

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糸崎 公朗
ブダペストのアパート

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ヴァンだ 一成
大浦一成 個展

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柳川 たみ
women studies

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中川 晋介
夜間行動

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波多 正木
深海の杜から、黄金の砂漠へ。

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李染 はむ
GLOSS

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須藤 光
大審問官

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西水 俊二
関係は切断から始まる

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菅野 英人
Disconnection photograph Virtual repetition

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ユソン 恵美子
女・女・女

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中村 洋一郎
中村洋一郎のお祓い展

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ヴァーチャル・ギャラリーとはなにか?
ヴァーチャル・ギャラリーの時代が、パンデミックの中で、やってきました。

20世紀初頭のスペイン風邪では、多くの有名美術関係者が亡くなりました。美術評論『キュビスムの画家たち』を書いたフランスの詩人ギヨーム・アポリネール、そしてオーストリアの画家グスタフ・クリムト、エーゴン・シーレ、そして日本の洋画家:村山槐多、こういう、有名人が亡くなった大事件であったスペイン風邪と言われたパンデミック。こういう時代の再来が、この21世紀に来て、このコロナパンデミックに対抗して起きてきたのが、ヴァーチャル・ギャラリーなのです。ヴァーチャル・ギャラリーの中には、コロナウイルスも入って来られないのです。

ヴァーチャル・ギャラリーというのは、インターネット上の仮想ギャラリーです ヴァーチャル・ギャラリーには、物質としての美術作品はありません。物質としての美術作品がなければ、美術作品は無い。つまり物質こそが、美術作品なのである、と考える人達には見向きもされない美術展であります。美術作品とは、物質であると信じられてきていて、日本では「ものづくり」という常套句として流布している価値観が強いからです。しかし美術作品と言うのは、ものなのでしょうか?

ものである美術作品という前提で考えれば、どうしても手でつくる工芸性が重要であるということになります。日本の現代アートの中でも、この工芸主義は強くて、デコレーション性の強い工芸美術が、今も強い存在を占めています。しかし、コンピュータのデジタル技術が発達してくると、美術作品や芸術作品は、脳内リアリティへと還元されて、頭脳アートになってくるのです。

ソシュールの構造主義言語学を背景にして、精神分析家のジャックラカンは、シニフィアンと、シニフィエの対の存在としての言語の中で、物質性をもっているシニフィアンの重要性を強調しました。しかし、ラカンの時代には、コンピュータが普及してしませんでした。時代的には1995年頃の、奈良美智の出現の頃、若いアーティストの作品には共通して、美術の物質性の衰弱が現れて、つまりラカン的に言えば、シニフィアンの衰弱化や、無化の現象が現れてきたのです。さて、その状況を一段と押し進めるのが、このヴァーチャル・ミュージアムの展覧会なのです。

今回は、グループ展ではなくて、個展形式での、展示をしています。つまり12個の個展を並列する試みなのです。そのために、一人一人が、建築を持って、その中に、個展として作品を展示しています。個展のための建築と言っても、建築もまた、ヴァーチャルなものです。そのヴァーチャル建築の前には、ヴァーチャルなヴァーチャル彫刻を置いています。

ヴァーチャル建築の中には、4面にわたって、巨大な作品を設置しています。なにしろ、物質的な絵画ではないので、容易に大きな作品を制作で来ます。つまり美術作品は、大中小と三段階で捉えれば、巨大作品は、ヴァーチャル・ギャラリーに展示すれば良いのです。そして中規模の作品は、インクジェット・プリンターでの作品として、出力して、パネル張りをする。そして、小さな手の平におけるような作品は、物質性のある工芸的な作品として作られます。

四面の空間のあるバーチャルな室内には、一つの壁面に一つの大きな作品が展示されます。そうしすると、4点(あるいは5点)の作品が展示されるのですが、そうすると、この4点の関係性を、作品制作の構造として組み立てないと、展示した作品の面白さが無くなるのです。つまり同一構造で4点作っても、4点並べると退屈になるので、それを、構造として組み立てないとならない。こういう、作品構造を4面で複数の内容に組み立てる形で、一つの部屋の作品を、一点として成立させる事が、要求されています。ここに参加した12人全員が、こうした作品の仕組みに同意したわけでは無いので、各自の世界は、自由に展開しています。(文責:彦坂尚嘉)